お寺とか神社とか

デジタルプリントで掛け軸復刻の実験

いま、デジタルプリントを使った掛け軸の復刻に取り組んでいます。
お坊さんの友人と話していたときに、古い掛け軸をかけっぱなしにしているとどんどん傷んでしまい、博物館の方からも「このままでは危うい」と指摘を受けているという話題になりました。

けれど、複製を作るとなると従来はものすごく高額。もっとカジュアルに、生地でタペストリーのような形で再現できないか――そんな発想から、平安時代の掛け軸を撮影し、デジタルで復刻する実験を進めています。


お寺・神社でのヒアリング

掛け軸が抱える課題

古い掛け軸は、掛け続けているだけで布や紙が劣化し、色あせや破れが進んでしまいます。博物館や文化財の専門家からも「このままでは危険だ」と警鐘が鳴らされることが少なくありません。
しかしながら、伝統的な複製や修復は専門技術が必要で、費用も高額になります。結果として「直したいけれど手が出せない」「公開できないまま傷んでいく」というジレンマを抱える寺社が多いのです。

デジタルプリントによる実験

私たちがいま進めているのは、デジタルプリントを活用した掛け軸の復刻実験です。
高解像度で撮影した平安時代の掛け軸をデータ化し、生地に直接プリント。いわば“現代のタペストリー”として再現する試みです。

もちろん本物の文化財と同列に語れるものではありませんが、オリジナルを守りながら「見せる」ことができる補助的な方法としては有効かもしれません。高額な複製と比べて費用を抑えられる点も大きなメリットです。

寺社からの声

このテーマは、エプソンさんの市場調査とも重なり、お寺や神社を訪ねてヒアリングを重ねています。
実際に話を伺うと、文化財を守りたい一方で「檀家や参拝者に見せたい」「展示したい」という要望が強くあります。保存と公開の両立――その狭間で悩んでいる方が少なくありません。
デジタルプリントは、その間を埋める新しい手段となる可能性があります。


個人的な余談

大学時代の同級生(仏教系の大学に通ってたのでお坊さんの友達多い)たちが、気がつけば立派なお坊様になっていてびっくり。
自分はといえば、体重が増えただけで中身はあまり変わっていない気がして…正直、ちょっと焦ります。

写真は比叡山・延暦寺での一枚。歴史の重みを前に、あらためて自分の足元を見直すきっかけにもなりました。

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